クスリの目的

2012.01.20

理屈ではよいと考えられても、動物でよい結果が出ても、生身の人間にとって有効との証拠がなければ想像の産物に過ぎないのです。このような例として心筋梗塞の治療についての知見があります。心筋梗塞の患者が亡くなるのは不整脈によることが多いので、不整脈を予防する抗不整脈剤を予防的に投与することは誰もが当然と考えます。しかし、アメリカでおこなわれた臨床試験では、抗不整脈剤の投与を受けた患者は、投与されなかった患者よりも予後が悪いことがわかったのです。

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そして調査の結果、不整脈を抑える抗不整脈剤が不整脈を引き起こす事実がわかったのです。つまりよかれと思って投与した不整脈のクスリが不整脈死を多くしたことが原因だったのです。クスリの目的は、自覚症状の改善と寿命の延長ですから、クスリによって見かけ上よくなっても、予後が悪ければ意味がありません。