「リサイクル」という行為について

2011.09.23

リサイクルがほんの一部の製品で行われているときには、回収した材料を何に使用してもよいのですが、本格的にリサイクルが始まれば、「生産地でリサイクルする」というシステムが構築できないと、回収してもその材料は宙に浮いてしまいます。すなわち「リサイクル」という行為は、貿易との関係でみると「消費する国で再び生産すること」なので、毒物を含もうと含むまいと、貿易と本格的なリサイクルーシステムは本来、調和しないことがわかります。現在の世界は、資源が特定の国にあったり、国によって発展の程度が違ったりと、国ごとの特徴があるので、それにそって国際的な分業をしています。国際分業と貿易が現在の世界の繁栄につながっていることには、誰も異論がないでしょう。もし世界の国々が自国で使うものは自国でリサイクルしなければいけないとすると、現在の国際分業と貿易は破壊され、それぞれの国が、その国で使うすべての製品を作る工場を、国内にもたなければならないことになり、非現実的です。この矛盾を「リサイクルの貿易矛盾」といいます。リサイクル深度が深くなればなるほど、この矛盾が拡大することは容易に想像できるでしょう。ますます国際化が進む中で、リサイクルの貿易矛盾をどのように考えるかが重要な課題になりつつあります。