「ひとのすることは、する」患者を前提として、病気が治ること、病気を治すことにできるだけ妨げにならないように舵をとるのが、慢性病の医療です。その上このような慢性病の場合は、長期間にわたって必要な薬を規則正しく飲みつづけること、食事をコントロールすること、生活を規正することなど、医療者側がどれほどやきもきしても、ご本人がその気にならなければ一向に実効のあがらないことばかりです。社会的責任だけでなく医療そのものの責任も、その大半は医療者側ではなく患者側に移っているのです。糖尿病患者が自宅でインシュリンを注射することも、広く行われるようになりました。急性病の場合の親−子供のモデルから、成人−成人のモデルに医療の構造が移行するのが慢性病の場合なのです。つまり、医療者と患者がパートナー関係になるのです。